【西宝小学校】
西宝台地には西宝小学校があり、これは国立公園内にある唯一の小学校です。早期は西宝の農場員小学校でしたが、その後、森林小学校に改編されました。これは全国で唯一の公の森林小学校で、建物は非常に芸術的で創意的です。
地質概要
西宝台地が台地下方の道路脇の斜面から露出する礫石層を調べると、かつて立霧渓の河床であったことが分かります。河流の外的営力と地殻の不断の上昇により、現在では河床と西宝台地との高低差は500m以上に広がっており、このことからも浸食と隆起のダイナミズムが理解できます。
すでに文化人類学者により西宝台地で陶片及び石製紡輪が発見されています。これらは新石器時代後期の人類の遺留品と考えられます。
タロコ族は250~300年前、立霧渓流域に定住し、ここに西宝集落を築きました。しかし、1915年の日本政府の「理番政策」により土地を追われることになりました。終戦後は、少数のタロコ族の人々だけが村落に戻ってきました。
【西宝農場】
中横公路の開通時、山地での野菜輸送が不便であることから、西宝の段丘で青果物栽培が行われ、西宝農場ができました。中横公路開通後、国軍退除役官兵輔導委員会は退役軍人の西宝での定住・開拓を指導しました。現在はナシ、りんご、プラム、桃、オレンジなどの果樹や、ピーマン、キャベツ、エンドウなどを主とした野菜を栽培しています。