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3500メートルを超す山々は冬になると雪を抱き、気高く美しい姿を見せます。
3500メートルを超す山々は冬になると雪を抱き、気高く美しい姿を見せます。
合歓山の山頂から四方を眺めると見渡す限り山々が峰を連ねて見えます。

太魯閣地域は台湾の中•東部の主要河川にあたる大甲渓、木瓜渓、濁水渓及び立霧渓の水源にあたるところで、山は北東から南西に走る主要山脈を主幹として両側に若干の支脈を伸ばしています。背骨にあたる主要山脈は、北から南に順に、南湖大山、中央尖山、無名山、鈴鳴山、畢緑山、合歓北峰、合歓東峰、奇來主山北峰、奇來主山、奇來主山南峰など標高3000mを越す山岳を連ね、奇來北峰から東へ更に太魯閣大山、帕托魯山支脈につながり、国立公園の南の境界まで続いています。標高2000mを越す山が総面積の半分を占め、台湾「百岳」のうち27岳がタロコ国立公園内にあります。その中でも太魯閣の最高峰3742mの南湖主峰は台湾五嶽(嶽=霊山)のひとつにあげられ、南湖大山と中央尖山、それにこの二つの山を結ぶ稜線は最も雄大かつ壮麗で、帝王と呼ばれています。奇來連峰は、切り立った断崖地形と季節、日夜を問わず急に天候が変わることから登山愛好家の間では「黒い奇來」と恐れられています。合歓山群峰は山の斜面にササの群生が草原のように広がり、高海抜にも関わらずアプローチが容易なので観光地として有名です。
タロコ国立公園内の主要河川の特性は次のようにあげられます。

立霧渓流域

奇莱連峰は険しい地形と切り立った断崖に合わせて天候の変化の目まぐるしいところから登山者に「黒い奇莱」と恐れられています。

立霧渓本流は全長58.4km、奇來北峰の北東側、標高3440mのところに水源を発し、北東に流れ關原で東に向きをかえ、太平洋へと流れています。本流の水源に近い地域は地形が険しいところから流れが急ですが、下流に行くに従って緩やかになります。天祥までは「外太魯閣峡」と呼ばれ、川床の勾配は大きいものの渓谷の幅は比較的広く、「内太魯閣峡」天祥から下流は川底の勾配が小さくなり、両川岸の変成石灰岩が高さ1000mを越す切り立った断崖を形成し、峡谷が両側から迫って、壮大な景観を見せています。

立霧渓は關原、天祥、太魯閣の三箇所で90度にカーブしています。曲流と地殻の隆起がお互いに作用しあって、前期地形の侵食循環において旧川床にたまった堆積層が侵食されると河岸段丘が形成されます。この流域には比較的規模の大きい河岸段丘は十数か所あり、その多くにはかつて原住民の部落がありました。

立霧渓の支流は、托闊渓を除いて、ほとんどが北から南の方向へ立霧渓に合流しています。一般に流域西部の板岩、石墨片岩、緑泥片岩が分布している支流では渓谷の幅が広く、流域東部の変成石灰岩と片麻岩が分布している地域では、岩石の硬度が高いため、河川の分岐率が小さく、深い峡谷が形成されています。

大沙渓

立霧渓の中流には黒や灰色の大理石に混じって緑色の火成岩が見られます。

立霧渓支流のなかで流域面積18,000ヘクタールに及ぶ最大の支流で、北から本流に合流しています。大沙渓の上流にはさらに数本の支流があり、なかでも陶塞渓の流域面積は10,000ヘクタールに達し、南湖大山の東南稜線と中央尖山の北斜面から水が流れ込んでいます。中央尖山の資料線の南から無名山の東南稜線までの間は勾配やや大きい小瓦黒爾渓の流域です。蓮花渓の源流は朝暾山の南側にあって、大沙渓とその支流は河岸段丘を九箇所形成しており、そのうち、西寳、山里(梅園)、陶塞(竹村)、蘇花沙魯(蓮花池)の4箇所の河岸段丘は、西寶農場の主要耕地として使用されています。

荖西渓

北東から南西の方向に流れて立霧渓に合流しています。流域の地質は変成石灰岩と片麻岩が主で、発達した峡谷地形を見せています。特に下流の立霧渓との合流点の大断崖は有名です。

砂卡礑渓

タロコ国立公園は総面積の半分が2000mを超す山岳地域で、そのうち六分の一が3000m以上の高山が占めています。

水源は双子山と暁星山の間にあって、全長僅か16kmの立霧渓支流の中では勾配が最も緩やかで最も河口付近で本流に合流する川です。台風や大雨の後で二本の川の合流地点を見ると黒く濁った立霧渓に対して、砂卡礑渓は常に澄んだトルコブルーの水が流れているコントラストが観察されます。立霧渓は上流に崩落しやすい片岩や片麻岩層が多く土砂が一緒に下流に流れてきますが、砂卡礑渓は全流に渡って崩落しにくい大理石層が分布しているからです。この川は短いので、川床には上流で崩落し、増水時に運ばれてきた巨大な岩も少なくありません。

山岳と渓流図
山岳と渓流図