【地質地形展示館】 緑水に建つ緑水地質地形展示館は、中横公路169.3km地点、天祥から約2kmの場所に位置します。展示スペースは1階と2階のフロアに分かれ、合計11個の展示エリアがあります。1階フロアには、地球46億年の歴史、地質年代紹介、プレート構造、運動及び岩石の生成と変化などをテーマにした展示が、2階フロアでは大地の姿『太魯閣国立公園景観写真』、立霧渓の古今東西、河岸段丘、峡谷の成因、岩石変形痕跡、鍾乳洞、砂金鉱物資源、台湾島の生成と変遷などをテーマに展示されています。 緑水の河岸段丘は大きく2層に分かれ、緑水地質地形展示館は上層段丘に位置します。緑水遊歩道はここから入ります。 下層段丘は立霧渓に非常に近く、小型の展示館が配置されており、展示館の外のデッキからは、断崖に造られた緑水歩道が確認できます。展示館の下は展望台とレストランがあります。 【岳王亭】 緑水から東に約500mの高地に建つ青い屋根と白い柱のあずまやは立霧渓谷に隣接しており、「 岳王亭」と呼ばれます。岳王亭の対岸には滝があり、高所から真っすぐに水が立霧渓に流れ落ちます。また、立霧渓には吊り橋がかかり、研海林道に入ります。この林道はかつて山中で樹木の伐採が行われていた頃に利用された道です。岳王亭は位置が高いため、立霧渓谷を観賞するのにも適したスポットです。 緑水遊歩道 緑水遊歩道は合歓越嶺道の一部です。この区間の古道は保存状態が良好な上、景観及び生態系も非常に豊富であることから、国立公園管理処が遊歩道化計画を進めました。道幅は約2mで日本統治時代の合歓越嶺道の道幅をほぼ保存していて全行程はなだらかで歩きやすく、老若男女問わず誰もが楽しめる遊歩道です。 遊歩道の入口は、緑水地質地形展示館の傍にあります。生い茂った森林、断崖絶壁の地形、岩生植物、文化的遺跡などが特色としてあげられます。 緑水はかつてタロコ族のドヨン(Toyon)という集落でした。なお、現在の緑水地質地形展示館は、かつて花蓮県政府太魯閣風景区管理所、太魯閣国立公園管理処、太魯閣警察隊の事務所などが置かれていたところです。遊歩道の終点は産業道路に連結しており、最後は合流キャンプ場付近から中横公路におりてきます。 遊歩道ヒストリー 緑水遊歩道は合歓越嶺古道の一部です。山中の道は約300年前に中央山脈を超えて立霧渓流域に移住したタロコ族が、集落間の行き来に使っていた細い通路から始まります。 タロコ戦役の際、日本軍はこの通路を利用してタロコ族を攻撃しました。その後山中地域の管理を目的に通路を整備、同時に沿道に軍備施設、警察駐在所、教育機関などを設置しました。 1927年台湾八景の一つにタロコ峡谷が選ばれます。1932年合歓山を越えて東西を結ぶ道の実地調査が始まり、1935年2月当時の花蓮港庁―台中州霧社区間に合歓越道路が開通しました。現在、緑水遊歩道などに一部残っているのを合歓越嶺古道と呼んでいます。