三桟渓流域は太魯閣国立公園の東南に位置し、三桟南渓と三桟北渓に分かれます。中でも帕托魯山を水源とする三桟南渓は最長約24kmで、豊富な水量を有し、その渓谷は奥深く壮大で奇観です。このため「小太魯閣」とも呼ばれます。塔山を水源とする三桟北渓と三桟社区北側で交差した後、東へ流れて太平洋に出ます。本エリアの動植物の生態系は多様性に満ち、三桟社区の歴史・文化の特色とマッチします。地形、地質、動植物の生態系の観察や撮影、写生など、自然観察と自然レジャー体験に最適です。
渓谷は山地で水流が複雑なため、危険に遭遇しないためにも、地形を熟知したガイドと一緒に渓谷活動を行う必要があります。また、山地は午後になるとよく雨が降ります。雨天時または上流で雨が降ると水位が急激に上がる恐れがあるため、常に水の変化には注意を払い、自身の安全を確保してください。
※三桟南渓の黄金峡谷(三桟社区から約5.2km)は、林務局花蓮林区管理処立霧渓事業区91林班地に位置し、太魯閣国立公園生態保護区に属します。落石・地すべりのため2010年5月28日0時より入園を禁止し、一時閉鎖します。
【三桟社区】
三桟社区は三桟南渓と三桟北渓が交わる地点に位置します。伝承によると太魯閣族の巴拉斯(Paras)一族はTaroko-Torowanから科蘭村落に移住し、その後、三桟南渓下流に移動して論外山東の緩やかな斜面に三桟渓で最古の村落となる布拉旦を築きました。
1928年、日本政府は各村落が山腹に分散する現状を鑑みて管理が困難と判断し、近隣の布拉旦、斯莫它魯、達給亜隆凱など3つのコミュニティを今の三桟段丘に移しました。今でも多くの人が「布拉旦社」と呼びます。「三桟」の名前は、清末の北路(蘇花古道)工事の際、付近に「三桟城」が開拓されたことから「三桟」が現在まで使い続けられています。