大禹嶺から4.9kmを隔てた関原は、海抜2,374mの平坦な山稜エリアです。非常に見晴らしがよく、中横公路開通後の新スポットです。7月の平均気温は16℃前後で、理想的な避暑地です。 関原は海抜が高く、雲霧帯の上に位置し、その高地から見下ろす景観は「合歓観雲」という名で知られています。塔次基里渓(立霧渓中流)に非常に近く、気流が渓谷に沿って上昇すると水分を含んだ空気が関原に集まり、雲や霧がかかる尾根、大波が渦巻くような雲海の景色が生まれます。このため関原は昔から雲海スポットとして有名です。 雲海を観賞する最高の時間は早朝と午後で、通常は日の出後に雲が徐々に姿を消していき、午後の日差しが弱まった頃にまたゆっくりと姿を現します。運がよければ、高い位置に雲が発生して大禹嶺を覆うような滝雲が見られるほか、奇萊北峰と周囲に広がる雲海の絶景も楽しめます。さらに太陽が西に傾く頃、もう一つの絶景が待っています。雲が夕日に照らされて赤く染まる景色は息をのむ美しさです。 このエリアの植物はスギ、ツガ、松などの針葉樹が多く、クヌギ、カエデなどの広葉樹も見られます。秋になると、植物の葉が緑色からさまざまな赤色や黄色に変化し、紅葉のムードで関原一帯がカラフルに染まります。関原から大禹嶺までのエリアは、中・高海抜の鳥類の生息地でもあり、関原は鳥類の楽園ともいえます。 歴史・文化概要 関原旧跡は現在の関原の下方、海抜約2,000mの位置にあります。その昔、中央山脈西側の托博閣派と東側の太魯閣派が狩猟地の縄張りをめぐり、激しく抗争しました。 1914年太魯閣の役により、日本陸軍が合歓山から東へ太魯閣地区に攻め入った際、関原の地を第一陣営とし、軍を率いる佐久間左馬太台湾総督がここに駐屯して作戦の指揮を執りました。そこから、日本の岐阜県東山地方から「関原(せきがはら)」という地名が付けられました。