中部東西横貫公路を西に慈恩まで上ってくると気温が下がってきたことに気がつきます。慈恩で海抜1995m、気温は1000m上がるごとに4-6℃さがりますから慈恩の平均気温は平地より10℃余り低いことになります。ここから広葉樹が少なくなり、針葉樹が目立つようになります。碧緑までの一帯はちょうど温帯の常緑広葉樹林と冷温帯針葉樹林の混生する針葉広葉混合樹林帯にあたります。クスノキやクヌギ、ツガやマツ、モミの樹など僅か4.5kmのあいだに海抜差が450m生じるので面白い植生がみられます。中でも中部東西横貫公路128km地点にあるランダイスギは樹齢300年を越すといわれ、高さ50m、直径3.5mあり、道路沿線で一番巨大な樹です。