太魯閣国家公園管理処、0403花蓮地震後の緊急調査に関する論文が『地工技術』優良論文賞を受賞
内政部国家公園署、太魯閣国家公園管理処と地盤工学の専門家が共同で執筆した論文「太魯閣国家公園における0403花蓮地震後の緊急調査およびその後の対応に関する初歩的研究」が、2025年に専門誌『地工技術』第184号に掲載されました。本論文は年間50編以上の論文の中から優れた研究として選ばれ、同年度の優良論文賞3編のうちの1編に選出されました。
授賞式は3月12日に行われ、国家公園署の劉宇凡組長、太魯閣国家公園管理処の劉守禮処長、鄭凱文科長、何文晟主任らが出席し、代表して表彰を受けました。この受賞は、行政による災害対応と専門的な調査の成果が評価されたものであり、今後の防災および復旧・復興における行政の取り組みに重要な参考資料を提供するものです。
2024年4月3日に発生した花蓮地震は、太魯閣国家公園に大きな被害をもたらしました。園内の景観地や登山道では大規模な崩落や落石などの自然地質災害が発生しました。太魯閣国家公園管理処は、初期調査と評価を通じて地震直後から緊急救援および応急復旧を実施するとともに、震災後半年間に確認された災害状況を記録しました。これらの緊急調査と災害対応の成果は、今回専門的な学術研究としてまとめられました。
災害を知見へ:今後の対応の基礎資料を構築
震災後半年間は余震が頻発し、太魯閣国家公園管理処の職員や専門チームは落石の危険を伴う中で被災地へ入り、緊急対応と現地記録に取り組みました。
1999年の921大地震の経験を踏まえ、専門家は地震後に台風や豪雨が発生すれば二次災害が起こる可能性を早期に判断しました。現地調査と技術的な巡検を組み合わせることで、地震による崩落・落石の状況に加え、康芮台風などによる二次災害についても詳細に記録しました。
専門知識と技術の統合:災害初期の効果的な評価
初期調査では、砂卡礑、長春祠、布洛湾、燕子口、九曲洞、白楊の6つの主要景勝地を重点対象としました。多分野の専門技術を統合し、初期の映像やリモートセンシングデータを現地調査と照合することで、広域から詳細まで各地域の被害形態や災害特性を把握しました。
また、高精度の全天球UAV(無人航空機)空撮やLiDAR(レーザー測量)などの先進技術を導入しました。これにより調査員の安全を確保すると同時に、斜面侵食、崩壊地、危険な巨石、緩んだ土砂などの空間的分布をより正確に把握することができました。これらのデータは落石発生源の特定や今後の災害リスク評価における重要な科学的根拠となります。
災害リスクと復興戦略:壮麗な峡谷を守る
今回の研究は、0403地震後の太魯閣における災害状況を詳細に記録し、地盤工学と先端技術を統合することで、災害初期の全体像と潜在リスクの評価を可能にしました。この研究成果は、今後の災害調査や対応における有益なモデルとなるものです。また、震災後の復旧・復興に必要な約30億元(新台湾ドル)規模の中長期的な整備需要についても整理されています。
受賞論文では、震災後の復興における課題と初期対応戦略を体系的に分析し、被害の大きい地点については減災、避災、休養共生といった考え方を提案しています。
太魯閣国家公園管理処の処長は次のように述べています。
「この栄誉は、災害直後に救援活動に尽力したすべての同僚と、危険を伴う現地調査に携わった第一線の仲間たちのものです。本論文を通じて、太魯閣国家公園の復旧と再開が慎重かつ着実に進められていることを広く理解していただきたいと願っています。」