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観光ガイド

概況

タロコ国立公園は緑豊かな山々と清らかな水に恵まれ、変化に富んだ景観を誇っている。台湾の東部に位置し、東は太平洋、西は雪山山脈に接しており、区域内には台湾百岳に名を連ねる山が中央尖山、奇來連峰、南湖群峰を筆頭に二十七座あり、世界に誇るタロコ峡谷、壮大な清水断崖、立霧渓、陶塞渓、砂卡礑渓等が美しい景観を呈している。立霧渓の河口から区域内最高峰南湖大山の頂上までの標高差は3740mに達し、東北から吹く季節風の影響もあって、気温、気候の変化が著しく、中部横貫道路に沿って上っていくと、一日の内に、四季の変化を肌で感じることができる。変化に富んだ地形や雲海、夕焼け、日の入り、日の出、雪景色などが行く人の目を捉えて離さない。

豊かな環境は豊かな生命を育んでいる。亜熱帯から熱帯にかけての植物相が見られ、中でも高山、石灰岩地域の植物は最も特徴があるとされている。台湾に生息する維管束植物全種類の3分の1が生息を確認されている。多様な植物相は同時に動物の格好の生息地でもあり、台湾で生息する全種類の、哺乳類は2分の1、鳥類は留鳥が90パーセント、蝶類が2分の1以上が観察されている。

人間も自然界の一員として、このタロコの地で時代を異にし、様々な集団が世代を越えて、生存を懸けて戦い、足跡を残している。大自然の中で古人を想い、生命の尊さを探索してみてはどうだろう。

清水断崖

かつて台湾八景の一つに挙げられた清水断崖は、タロコ国立公園で唯一海に面した地域である。ここは断層海岸で、片麻岩、大理石、緑色岩から成っている。これらの岩石は崩れにくい上に波による激しい浸食を受けて、高さ1000mを越す、ほぼ垂直の断崖が形成された。これは世界でも珍しい地形で、東台湾の海岸線に20kmに渡って続いている。

蘇花海岸一帯の渓谷は常緑広葉林に覆われており、季節風の影響を受けて夏と冬の雨量に若干開きがあることから、ここは「亜熱帯モンスーンガジュマル―タブノキ林帯(Ficus-Machilus Zone)」にあたる植生が見られる。板根、支柱根、幹生果、蔓性植物、絞め殺し植物など高温多湿の環境に適した特徴を持った種が多く、オオバタブ、ガジュマル、ハマイヌビワ、アカギなどがよく見られる。断崖に貼りつくように造られた道路は、最も古いものでは1874年に羅大春が指揮して開いた北路が国立公園内で、最初に政府によって造られた対外連絡道路になる。1927年に日本当局が自動車道路工事を着工、五年後の1932年に開通、「臨海道路」と呼ばれた。戦後「蘇花公路」と改名。険しい清水断崖の下は波が打ちつける太平洋で、断崖と海の間をカーブを切って走る道路の眺めは絶品。

タロコ峽谷

約四、五百万年前、フィリピン海プレートに属するルソン弧とユーラシアプレートの衝突によりユーラシアプレート上の堆積物が圧縮、隆起して山脈が形成され、台湾が序々に姿を現した。数千百万年にわたって、台湾史上最も古い大理石地層を削り続ける立霧渓の水と、今も続いている地殻の隆起と風化侵食が、美しいタロコをつくりあげた。

タロコ峡谷ではその特異な地質構造から土壌が発達しにくく、乾きやすいために、主に陽性の乾燥に強い岩生植物が多く、頻繁に地表が変化するためにいろいろな植物か生え、遷移を繰り返すので安定して植物群落を形成するには至らない。痩せた養分の貧しい土壌でも育つ岩生植物は非常に適応力が強く、こうした峡谷の植物は種子の散布に、クスノハカエデ、タイワンダンチクなどは風、クワ科イチジク属の植物、ガマズミなどは鳥、太魯閣檪の果実は齧歯類の動物の助けを借りるなどして、強靭な生命力を駆使して生きている。

タロコ峡谷を通る中部横貫公路は手作業で岩を削って開いた道路として知られている。1956年7月7日着工、連日五、六千人を動員し、台風や地震、豪雨の危険に曝されながら、死傷者の続出、機材の破損を乗り越えて、建設工費四億三千万元、三年九ヶ月と十八日の歳月を費やして、ようやく1960年5月9日全線開通した。、今日タロコ峡谷の美しい自然に触れることができるのは、この血と涙の結晶ともいえる道路があってのことだといえる。

碧綠神木

海抜約2000mにある碧緑神木一帯は片岩、千枚岩を主とした肩状地、断層が見られる。關原、卡拉寶は典型的な肩状地である。

碧緑神木とは樹齢3200年のランダイスギの大木のことで、このあたりは、冷、温帯の境界付近に見られる針葉樹と広葉樹の混生林が広がっており、地形と気候の影響から、しばしば雲や霧に覆われる。鬱蒼と茂った林にはニイタカトウヒ、タイワンツガなどの針葉樹の他に、オメガカエデ、タカサゴウリカエデ、タイワンヤマモミジなどの分布が見られ、秋の終わりから冬にかけて紅葉が美しい。

またここは林木の種類が多いことから、野生動物にとって食べ物が豊富で隠蔽性の高い恰好な棲息地となっていて、タイワンカモシカ、キョン、イノシシ、タイワンザル、リスなど大小の哺乳類が出没し、キジ科、チメドリ科、シジュウカラ科などの鳥たちの活動も見られ、野生動物の楽園になっている。

合歡山

合歓群峰は中央山脈の主稜線の分岐点にあり、連なる単面山が独特の地形を形成している。この地域は蘭陽渓と立霧渓を登ってきた気流が水分をもたらし、夏に豊富な雨、冬には雪を降らせるために、雲海、雪景色などの気象景観が生まれる。合歓山地域の年間雨量は3400ミリ、平均気温5,3℃。地質は中新生のもので粘板岩、千枚岩から成る。合歓群峰は立霧渓、大甲渓、濁水渓の発源地でもあり重要な集水区である。

合歓山一帯を代表する植被としてニイタカトドマツとニイタカヤダケがあげられる。両者は競争しながら世代交代を繰り返している。毎年雪が融け、梅雨が過ぎると、ニイタカヤダケが濃い緑を呈し、六月から九月にかけて山一面に高山植物が花を咲かせる。秋が深まるにつれ、草木は枯れ、ニイタカトドマツだけが蒼く残り、雪が舞う季節にも、銀色の雪に埋もれることなく生き生きと緑をたたえている。

冬が過ぎ春になると合歓山は生命の喜びを奏で始める。ニイタカヤダケの草原にはアリ科やヨコバイ科の昆虫の姿が見られ、その生長と分布はニイタカヤダケの生長によって移動する。イワヒバリ、キンバネホイビイ、タカサゴマシコ等の鳥は草原または森林限界一帯でよく見られ、草原や礫地では台灣蜓蜥、雪山草蜥それにサンショウウオ等が生息している。チョウセンイタチは合歓山一帯によく姿を見せる哺乳類で、キクチハタネズミやタイワンモリネズミなどを主に食べる。自然の植物連鎖の循環がここでも伺える。

1914年から1935年にかけて、日本当局は戦争、統治、登山などの需要から、合歓越嶺道路を数回にわたって修築した。タロコから霧社まで、徒歩で四日間要した。この古道は合歓山地域を通り、四キロごとに警察の駐在所が設けられ、合歓山地域では合歓山(現在の昆陽)、石門(現在の合歓山荘)、合歓(現在の落鷹山荘)の三箇所に駐在所があった。また、現在雪地訓練センターが建っているところは、1914年にタロコ事件の際に佐久間左馬太総督が西軍を率いて集結駐留したところでもある。

遊歩道

  • 崇徳臨海遊歩道(233m)
    崇徳トンネル北口(台9号線176.4K地点)脇。清水断崖と太平洋が一望できる。海岸の植物や礫石、定置網などが特徴。
  • 砂卡礑遊歩道(4.1km)
    入り口は砂卡礑橋から階段を下りたところ。大理石の岩壁に沿った小道。三間屋まで徒歩往復3-4時間のコース。砂卡礑渓の水は一年中透き通ったブルーで、水と石が織り成す景観が見事。砂卡礑渓谷はガジュマル―タブノキ林帯が特徴。景観デッキは生態工学的手法で作られている。川の流れは不安定で事故に繋がるため水泳、沢登りは禁止。落石に注意。
  • 長春祠遊歩道(2.03km)
    切り立った険しいコースで、禅光寺から吊り橋を渡って階段を上り、鐘楼から旧長春橋まで、徒歩約一時間。寺、記念碑、吊り橋、渓流、森、洞穴、湧き水など自然と文化に触れ、高台からは周囲の山と川を一望することができる。沿道の観音洞、長春祠、旧長春橋、中部横貫公路開拓の碑文などからは、当時の作業の苦労がしのばれる。階段が多く地面が濡れると滑りやすいので注意が必要。落石に注意
  • 燕子口遊歩道(1.372㎞)
    もと中横公路の自動車道だったところ。ポットホールや褶曲など峡谷の景観が楽しめる。片道約50分。地震や大雨の後は落石に注意が必要。ヘルメットの着用推奨。
  • 九曲洞遊歩道(700m)
    九曲洞トンネル西口脇。歩行時間片道約30分。大理石峡谷の最も見事なエリアのひとつで、タロコ峡谷の自然と生態の観察に最適のスポット。地震、大雨の後は落石に注意が必要。
  • 綠水遊歩道(1.97km)
    合歓越嶺古道の一部。歩行時間片道約一時間。途中小さな橋がかかった小川、林の木陰、洞窟、古道、絶壁、岩生植物など解説ボードを見ながらのんびり散策できる。野生動物に注意。
  • 白楊遊歩道(2.1km)
    天祥から西へ約800m上流のトンネルが起点。瓦黒爾渓、搭次基里渓に沿って白楊の滝まで徒歩片道約40分。沿路大理石と片岩が交互に混ざった地層、峡谷、滝、渓流、動物、パイオニア植物の生態などが見られる。入り口から1㎞地点まではベビーカー、車椅子も利用可能。一部区域で落石に注意が必要。
  • 豁然亭(500m)
    豁然亭は中部横貫公路160.2キロ地点にある。一部で崩落のため、現在は見晴らし台(豁然亭)から西へ約500mのみ開放。見晴らし台からは周囲の山が見渡せる。
  • 緑水文山遊歩道(5.5㎞)
    タロコ族の集落と日本統治時代の駐在所跡地、豊かなな森林、石灰岩の岸壁に生息する植物などが見られる。稜線に出ると遠くに緑水と天祥が見える。片道約4-5時間。一部勾配のきついところがあり体力を使う。蛇や蜂に注意が必要。
  • 緑水文山遊歩道(5.5㎞)
    タロコ族の集落と日本統治時代の駐在所跡地、豊かなな森林、石灰岩の岸壁に生息する植物などが見られる。稜線に出ると遠くに緑水と天祥が見える。片道約4-5時間。一部勾配のきついところがあり体力を使う。蛇や蜂に注意が必要。
  • 石門山遊歩道(1.8km)
    台14号甲線33.3キロ地点に登山口がある。徒歩約30分で台湾百岳の一つである山頂に到着する。山頂からの見晴らしは素晴らしく、奇來連峰、合歓群峰、南湖群峰、搭次基里渓が一望でき、合歓山の植物観察にも恰好のコース。
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